第一次世界大戦終了100周年に思う

 第一次世界大戦は約1800万人の犠牲を出しながら100年前の1918年11月11日に終了しました。ところがこの戦争は我が国には空前の好景気をもたらしたばかりか、帝国海軍は南洋群島などの旧ドイツ領に一挙に進出、領有しました。
太平洋分割を目論む英米はこれらの行為を是とせず対日強硬意見が台頭して行ったのです。
 大正12年、帝国海軍練習艦隊がニュージーランドに寄港した際、ジェリコー総督・英国海軍元帥は「最小の努力で最大の利益を得た」と我が国を揶揄しております。

 一方、英国は最大の脅威であったロシアを日英同盟をもって弱体化させたばかりか、第二の脅威であったドイツに第一次大戦で勝利、武装解除しました。欧州を征した両国が次に目指したのが太平洋、アジア方面の分割でした。
 英国はジェリコー元帥の提案で太平洋艦隊を創設、シンガポール軍港を拡張、米国はハワイ、フィリピン、グアムの基地を強化しました。ここに第二次大戦の萌芽が起きたのです。
 それから23年後、我が国は英米によって原油禁輸措置を受け止む無く宣戦布告、第二次世界大戦が勃発するのです。ロンドン在の戦争博物館には「偉大な第一次世界大戦」と大きく表示されております。

惠 隆之介